一年の計は春にあり 春を上手に過ごして一年を快適に過ごす養生方

あっという間にもう4月。新年度が始まり、新しい職場や学校、環境での生活がスタートして、不安と期待が入りまじ待った日々をお過ごしの方、多いと思います。

こんにちは。櫻井です。

長い冬もやっと終わり、暖かい日も増えてきましたね。朝に犬を連れて散歩していると、ふきのとうやクロッカスなど、春の芽吹きを感じられます。

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春を上手に過ごして一年を快適に過ごす

春は一年のはじめとも考えられ、この時期を良い状態で過ごすことが、この後の季節を快適に過ごすきっかけになります。

ではどんな生活をして、どんなものを食べると良いのでしょうか。

春は「五行説」によると、「肝」に属する季節で、春は肝がよく働くと書かれています。しかし、うまく肝が働かないと様々な不調になるよとも書かれています。

肝を聞くと肝臓を思い浮かべてしまいますが、中医学が指す「肝」は、お酒を飲みすぎると悪くする「肝臓」とはちょっと違います。

中医学で春は、「発陳(はっちん)」といって、古いものが新しくなり、万物が芽吹き、成長し始める季節と考えられています。また春は五行説では「木」に属する季節です。

木には「曲直」、「易動」、「喜伸長」といった性質があり、木々が枝を伸ばすようにのびのびとし、葉が風にそよぐようによく動き変化するという特徴を表しています。

詳しくは「木火土金水 五行論のお話」をご参考ください。

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肝の働き

疏泄

肝は疏泄(そせつ)といって、感情や血流量のコントロール、気の回りを調えて、血流量をコントロールし、内臓や組織、器官の生理機能をスムーズに行えるよう調節しています。

春は新しい環境で新しい生活が始まることも多く、そういった環境の変化がストレスとなり、肝に負担がかかると、疏泄の機能が低下して気の流れが悪くなる「気滞」という状態になります。

気の流れが停滞すると、感情が不安定になってイライラしたり、すぐ怒りになったりします。

気の回りの停滞は、熱をこもらせ、頭痛や目眩、喉や目の痛み、不眠などの症状も出やすくなります。

この気には、体を外敵にから守る役割も有るため、気の停滞は、ウィルス、冷え、花粉などの外敵から身を守る力も低下させてしまい、カゼを引きやすくなったり、エアコンの風に弱くなったり、花粉症症状がひどくなったりもします。

蔵血

肝にはもう一つ「蔵血(ぞうけつ)」と行って、血を蓄える働きがあります。血は、全身の細胞や組織、器官に栄養とうるおいを与えています。

血が不足すると、栄養が届かず、渇いてしまうので、目がしょぼしょぼしたり、筋肉がピクピクしたり、つったり、立ちくらみになったり、不眠になったり、月経に不調が出るようになります。また、皮膚や髪の毛も乾燥しやすくなります。

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風邪は万病の元

また春は風の季節でもあります。
中医学では、体に悪影響を及ぼす風を「風邪(ふうじゃ)」と呼び、警戒します。風邪は、自然界の風と同じように、出ては消え、変化しやすく、よく揺らすという力を持っています。また人体では頭など上部を襲いやすいとされています。

喉の痛み、目のかゆみ、頭痛、発熱なども強い風邪にやられてしまったせいかもしれません。また出ては消える蕁麻疹なども風邪の影響と考えられています。

また外の風だけでなく、体の中にも風が起こることがあります。これを中医学では「内風(ないふう)」と呼びます。内風が起こると、ふらつきや痙攣、めまい、引きつけ、手足の震え、しびれ、神経性の麻痺、突然の意識障害などが起きます。

これは先程の肝に蓄えられてる血が少なくなったことにも由来します。

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春の養生法

中国最古の医学書、黄帝内経 素問を見ると、春は、

春三月.此謂發陳.天地倶生.萬物以榮.夜臥早起.廣歩於庭.被髮緩形.以使志生.生而勿殺.予而勿奪.賞而勿罰.此春氣之應.養生之道也.逆之則傷肝.夏爲寒變.奉長者少.

〜春の三ヶ月「発生」の季節。万物が芽生え、天と地の間に生き生きととしたエネルギーが満ち溢れる。春は、少々の夜更かしはかまわないが、朝は早く起きよう。そして朝には、ゆったりと散歩し、髪をときほぐして、服装もゆるくして、体をのびのびと動かそう。

精神的には、今年はこれをやろう・あれもやろうと、やる気を起こすのが良く、心持としては何事も生まれよう・伸ばそうとするのは良いが、制限を加えるのはよろしくない。またやる気を育てようとするのは良いが、やる気が失せるようなことは思うべきではない。

人に対しても、褒めたり励ましたりすることは良いが、虐げたり罰したすることのないように心掛けるのが良い。これに背くと、春に活動する肝気が痛み、夏になって寒性の病にかかりやすくなる〜

と書かれています。

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春はのびのび

春はとにかく緩くのびのびとすることが大切です。そうすることで、肝の疏泄が正常に働き、心も体も安定しやすくなります。

春の食養生

まだ寒さが残る春先では、寒さを散らすちょっと辛いものがおすすめ。
生姜、紫蘇、みょうが、パクチーなど。

少し暖かくなって来ると、今度は冷ましてイライラなどを抑えるものがよいでしょう。
セロリ、クレソン、チンゲンサイ、ほうれん草、グレープフルーツ、オレンジなど。

春は本来、肝がよく働くことで、体の調子が整います。肝をよく働かせるには、

① 疏泄を促し、気を巡らせる食べ物
② 血を補う食べ物
③ 肝を養う食べ物、または、働きすぎる肝を鎮静させる食べ物

を、状態を見て摂るようにします。

疏泄を促し、気を巡らせる

イライラや怒りやすい、お腹にガスがたまる、下痢と便秘を繰り返すなど、気の流れが滞っている「気滞」には、行気といって、気を動かす(行かせる)食材を摂るのが良いでしょう。

イカ、牡蠣、レバー、貝類、セロリ、パセリ、せり、ゆず、グレープフルーツ、パクチー、玉ねぎ、茉莉花茶、カモミールティーなど。

血を補う

抜け毛や白髪、目の乾燥や乾燥肌、立ちくらみなどが見られる場合は血を補って対処しましょう。

貝類、ブリ、レバー、牡蠣、イカ、かつお、卵、黒豆、大豆、黒ゴマ、落花生、ひじき、小松菜、ほうれん草など。

肝を養うもの

酸味は全般的に肝を養うものが多いですが、イライラが強かったり、食欲がなく元気がないなどでは、逆に肝を抑制する必要があるので、酸っぱいものを取りすぎないようにしましょう。

イライラが強いときは、苦味を取ります。セロリ、苦瓜、グレープフルーツ、三つ葉、せりなどがお勧め。
 
食欲がないときは、酸味を避けて、イモ類、コメ、豆類、キャベツ、鶏肉、栗、イワシ、うなぎ、もち米などを加熱して少しずつ食べましょう。もち米のおこわなどは良いですが、餅は負担になることがあるので、食欲ない時は、控えてくださいね。
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人の体も自然の一部

冬の朝はゆっくりと起き、早く眠る。よく食べ、よく休み、身体を守る。気持ちも活発にならず、休ませる。

春は早起きしてゆったりした気持ちでのびのびと散歩する。

夏は万物が生い茂るように早起きして活動する。

秋は気持ちを穏やかに、しっかり深呼吸する。
自然の理に合わせることも大事ですね。