中医学的「認知症」の予防について

記憶障害・判断能力の低下・見当識障害(日付や場所が分からないなど)・徘徊などを主症状とする、認知症。昨今は若い人にもみられる若年性認知症が話題になっていますね。

中医学では、認知症の予防と対策には「血流改善」がとても重要と考えています。西洋医学でも血流の改善が認知症(脳血管性認知症)の症状の改善に効果があると考えられており、様々な血流改善対策への注目が増しています。

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中医学で考える認知症予防

正常な血(けつ≠血液)は血管内を流れる赤い液体で、栄養や潤いや酸素を体の隅々に運ぶトラックの役割をしています。中医学では、偏食や運動不足、そして冷えやストレス等から、めぐりが悪くなった血を「瘀血(おけつ)」と読んでいます。
瘀血は動脈硬化や血栓の要因となり、血流を悪化させる元になります。中医学的認知症予防ではできてしまった瘀血をどう解消し、さらなる瘀血の発生を最小限にすることが重要になります。

きれいな血をドロドロの瘀血にしてしまわないようにするには、普段の生活習慣や食習慣がとても需要です。また発生してしまった瘀血を改善するには、血を活き活きと巡らせる活血法(かっけつほう)という手法で対処します。

漢方では、冠元顆粒(かんげんかりゅう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)、水蛭製剤、三七人参などから体質に合ったものを選びます。

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瘀血と「痰湿(たんしつ)」と「気」の流れの停滞と、「気血不足」

瘀血の三大症状は、黒ずむ、固まる(しこりができる)、痛むです。シミやそばかすなどの黒ずみも瘀血の一つですし、歯茎や唇の色が暗い、舌に紫色のシミがある、舌下静脈が紫に腫れ上がっているなども瘀血の症状です。また、子宮筋腫や内膜症、そしてガンなども瘀血として捉えます。瘀血による痛みは、固定痛で刺痛です。痛む場所がいつも同じで、刺すような痛みがあるものが瘀血の痛みです。

太り気味や食事の偏りがみられる「痰湿」

生ものや冷たいもの、脂っこいものや甘いもの、そして味が濃い食事などは、「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる病理産物を体内に発生させます。痰湿はベタベタと体内に溜まり、血の中にも混ざり込んで、粘りのあるドロドロ状態にします。これが「瘀血」となり、脳だけでなく全身の血流の悪化を招きます。昨今では、サラダや冷たいものの摂り過ぎ、ジュースやカフェでの甘い飲み物の飲み過ぎなどで痰湿が溜まってしまっている方も多く見かけられます。

痰湿症状

吐き気、食欲不振、軟便、痰が多い、耳の閉塞感やめまい、肥満、体が重い、頭がヘルメットをかぶったように重い、舌に厚い苔がべったりとついているなど

おすすめ食養生

大根、キュウリ、ニガウリ、海藻類、茸類、緑豆、緑豆モヤシや春雨、ハトムギ、ハブ茶など

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茸にたっぷりの大根おろしを入れた「みぞれ鍋」もおすすめ

イライラやガスが溜まるのは、気の停滞

体内を巡っている「血」は、エネルギーである「気」とともに体の隅々まで巡っています。この気と血の巡りは、五臓の一つで、精神情緒の安定を司る「肝」によってコントロールされています。肝が過剰なストレスの処理で手一杯になると、気や血の流れをコントロールする余力がなくなり、血流が滞りがちになります。これが長期化してしまうと、瘀血を作り出してしまいます。

気の停滞症状

イライラ、憂鬱、神経質、ガスやげっぷが多い、お腹が張る、便秘と下痢を繰り返す、喉に詰った感じがある、こめかみの痛み、ストレスで頭痛や胸の張りや痛みが悪化しやすいなど

おすすめ食材

かんきつ類、セロリ・セリ・春菊などの香味野菜、蕎麦、菊の花、ミント、ラベンダー、イカ、牡蠣、貝類など

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柚子の香りは気を巡らせる力がある。

気血の不足では血の流れの勢いがなくなる

消化吸収力がもともと弱い人、または偏食やストレスの影響で弱ってしまっている人は、エネルギーである気や、酸素や栄養を運ぶ血を作る力も弱っています。また、ご高齢の方や、慢性病で体力が落ちている場合も、血や、その血を巡らせる「気」が不足しがちになります。

血や血をめぐらせる気が少ないと、流れに勢いがなくなるので、結果として血が停滞し、瘀血が発生します。

気血不足の症状

疲労、息切れ、動悸、汗が出やすい(寝汗ではない)、食欲不振、不眠、軟便、不安、腰痛、夜間多尿、疲れると症状が悪化しやすいなど

おすすめ食材

長芋類、コメ、もち米、イモ類、なつめ、ほうれん草、ゴマ、ウナギ、鶏肉、鹿肉、羊肉、小松菜、クルミなど。
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ほうれん草と豚肉の常夜鍋はうちの定番です

血を活き活きと巡らすために

血流改善の第一歩は、三度の食を改め、良い食事を摂るように心がけること。脂っこいものや味の濃いもの、甘いもの、そして生もの、冷たいものへの偏りをなくして、火を通した野菜をたっぷり食べるようにしましょう。そのうえで、イワシや秋刀魚など青魚や、黒豆、黒きくらげ、小豆、タマネギ、ラッキョウなど、薬膳で血の巡りに良いとされる食材を日々の食事に摂り入れましょう。

また積極的に動くという事も大切です。仕事中などは特に座りっぱなしになることも多いので、1時間に1回、2分程度でも良いので、立って動くようにしましょう。その際に深呼吸や肩回しもお忘れなく。

認知症になってしまったときは、もう自分ではわからなくなっているかもしれません。そうなると積極的な対策はきっとできないでしょう。予防や早期対策がとても重要です。高齢者だけでなく、若年層でも見られる認知症。日ごろの食生活を改めて、早め早めの対策を心がけましょう。

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