心を傾けて聴く、【傾聴】の大切さ

こんにちは、櫻井です。
10年近くも上陸していなかった台風が3度も上陸した北海道は水浸しです。私の周りでは人的被害は有りませんでしたが、農家の友人の畑も水浸しで、日本一の生産量を誇る玉ねぎはそのほとんどが流されてしまいました。今年は美味しい北見産の玉ねぎが食べられないかもしれません。しかしそんな中その友人たちは、「自然にはかなわねーな」とか、「まぁゆっくり片付けよう」などとまったく悲観的な発言をしていないことにびっくりしました。自然を相手にしていると、あきらめる大事さを身をもって体感し、身についていくのだなと感じております。

私などはまだまだで、気圧の変化や気温の変化にもじたばたするばかりです。良い意味でのあきらめ。大事です。

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さて、今日は「聴く」ことについてお話しをしてみたいと思います。

漢方薬局に限らず、お客様と接するサービス業全般において、お客様が伝えようとしている事をしっかり聴くことはとっても大事なことです。もちろん、仕事に限らず、私たちの普段の生活の中でも、家族や友人、恋人とでも、人と人とのコミュニケーションの中で『聴く』ということはとても重要です。
 

「話す」ということ

ところで、皆さんは話すことで満足を得た経験ありませんか?ストレス発散になった、楽になった、すっきりしたなど、ほとんどの方が話すことの恩恵を感じられたことがあると思います。そんな時、あなたの話を聞いてくれていた方は全て受け入れるように、包み込むように貴方のお話を聞いてくれていたのではないでしょうか?あなたにとっての話しやすい相手というのは、結果として上辺だけではなくズバズバ言ってくれる人だったとしても、まずはあなたの気持ちを受けれいれて、共感してくれる人ではないでしょうか。
 

『聴き方』を知らない

私たちは生まれてから今まで、話し方はいろんな場面で教えてもらいましたが、『聴き方』を教わる事って実はとても少ないです。私達がなんとなく知っている“聞き方”とは、「相手がしゃべってるときは黙って話を聞く」 とか、「相手の目を見て聞く」くらいでしょうか。聴き方は教わっていませんが、聴かれ方に不快な思いをしたことが有る方は多いと思います。

話をしている途中で意見を挟まれたり、正論を言われたり、嫌な顔されたり、ちらちら時計を見られたら、とても残念な気持ちになって、話すのが嫌になったり、不快な気持ちになってしまいますよね。そしてそんな会話からは満足は得られませんよね。では、相手がどんな反応をしてくれると話がしやすく、満足を得られるのでしょうか?
 

『聴き方』の技法

実は、『聴き方』にも話し方と同じように技術が必要なんです。その方法の中でも一番大切なのは、『相手の話を理解し、共感を示す』ということなんです。

人は自分の気持ちを理解してもらえた時に満足感を得ます。自分を正されることも時として必要ですが、まずは自分の立場や意見をいったん飲み込んでもらえて、共感してもらえた時に満足感を得ます。そんな『理解と共感』を示す聴き方には技術が必要なんです。
 
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話を『聴く』上での大事なテクニック

「理解と共感」を感じさせるには、次の3つの技術が必要だと言われています。

① 体ごと相手に向き合い目をみて聴く

② 勝手に解釈したり、結論付けたりしない

③ 問題点を探して指摘したり、解決策を提示しない

この3つを実践することは簡単なようで実はとても難しいです。
 
例えば、あなたが仕事が終わって家に帰り、家族や恋人に、
「朝会社に無う途中で、道が渋滞しててバスが進まなくて、ぎりぎりに駅についたんだけど、電車もすごい混んでて大変だったんだよ」と言ったとします。
すると相手は、「今日は特に雨だったからね。雨の日はみんな車で駅まで行こうとして混むから、今度はもう少し早く出たほうがいいね。」と答えました。

この会話は、一見普通に見えますが、上の3つのテクニックに果てはめてみると、とてもまずい会話であり、理解と共感が全くなされていないことがわかります。改善できる点を見ていきましょう。
 

良い会話をするために

まず①の、 『体ごと相手を向く』ですが、当たり前のことですが、意外とこれが出来ていない方が多いのも事実です。特に親しい人にこそできていないことが多いのがこれです。

家に帰って、テレビを見ているときに話しかけられたら、うっかりそちらを見ずに生返事だけしてしまっていないでしょうか。実は姿勢もコミュニケーションの一部なんです。 新聞見ながら、携帯見ながら人の話を聞いているなんていうのは『聴いてる』とは言えず、話している側はまず満足を得られません。

上記の会話の中だと、あなたはテレビを見てたり、スマフォを見てたり、新聞を読みながら答えている状態です。ここが改善点その一です。
 
②の 『勝手に解釈したり、結論付けたりしない』というのは、
「相手が、何をどう感じてどう思ったかをそのまま受け入れる」という事で、この場合、自分はどう考えるか・または行動するかはまったく関係なく、極端にいうと相手が言ってることが合ってるか間違っているかも関係ありません。ただただあったこと、そしてどう感じたかを受け入れることが重要です。

なので、「そうかそういうことがあったんだ。」 というのが正解です。「それは大変だったね」でもいいです。勿論相手の目を見ていることは言うまでもありません。
 
③は 『問題を探して指摘しない。解決策を提示しない。』ですが、この3つの中で、一番してはいけないことです。

これは、その本人が何が問題だということは、もしそう聞こえなくても、一番理解しているはずだからです。なのでそれを指摘しても何の意味も無いばかりか、反発心を生んでしまうだけです。

まずはそのときの大変さに「共感」する方が大事なんです。問題を指摘するのは決してやってはいけないことではありませんが、まずは受け入れて、共感してから、それから指摘するというのが相手も意見を受け入れやすい心理状態になります。

上記の会話だと、「雨が降っていたから道が混んでいた。そんな場合は余裕をもって出勤するために、前日から天気予報を見ておいて、早く寝て早く起きて、混む前に家を出ておく。」というのが解決策なのかもしれませんが、お互いの関係を円滑にするためには、そんなことはどうでもいいことなんです。相手はただ大変だったからその気持ちをわかってほしいだけなんです。問題を指摘してほしいわけでも正してほしいわけでも私が間違っていると促してほしいわけでもありません。

なので正解は、相手に身体を向けた状態で「そうだったんだ。大変だったね。」です。そのうえで「やっぱり雨の日は早く出たほうがいいね。」っと言うと相手もすんなり受け入れてくれるはずです。

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これら3つのテクニックは、簡単なように見えて実践してみると、これがなかなか難しいです。というかこれを読んだ時点でめんどくさく感じる方も多いかもしれません。その相手が身内なら特にそう思ってしまうかもしれません。なんせ知りすぎているので、他の感情を挟むなというのはなかなか難しいものです。

でも一度試しに、どれくらいの間黙って相手の話を聴けるか試してみてください。はじめは1分もつらいと思います。慣れないうちは口を挟みたくて仕方ないと思います。でも今度は相手の話を想像しながら、なぞりながら、話を挟むのはじっと我慢してみてください。

「これこれこういうことがあって、どうだった。」という話を想像して、目の前にその情景を浮かべて、あたかもそこに自分がいるようにしてなぞるんです。それができたらあなたは自然と、「なるほど、それでどうしたの?」と返すことができるようになるでしょう。そうすれば相手は気持ちよく「それでね、、、」と話をつづけてくれます。

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私たちはみなおしゃべり好きで、自分の意見を聞いてほしいんです。相手の話を聞いているときにも、次に自分がしゃべる事を考えている事ってよくありますよね。本当はそうせずに聴くことが大切なんです。

先ほどの例の会話で話ている側の人は、「道も電車も混んでた、だから大変だった。」と言っています。ここで重要なのは、どうやったら回避できたかではなく、「大変だった」という気持ちです。なので、「道も電車も混んでたんだ。それは大変だったね。」と、ちょっとつらかったねという顔をして答えると、相手もちゃんと話してよかったと満足してくれます。
 
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この『聴く』という技術は、サービス業だけでなく、ビジネスの席でも、はたまた普段の生活でも、親子の会話でも、もちろん恋人や夫婦の間でも使えるテクニックです。大事な人の話をしっかり聴く事で損をする事なんて有りません。大事な人は、貴方に大事な事を伝えようとしているはずです。それはその言葉の裏側に隠された心の声を聴いて欲しいという事なんです。そのためには様々な言葉を用いて伝えようとします。限られたボキャブラリーの中では間違った使い方や間違った紐付がされている言葉を使うこともあると思います。言葉の一般的な意味を拾うのではなく、心の声を聴くようにしてみてくださいね。
 
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会話で満足を作り出すのは『傾聴』で、傾聴にとっての鍵は『共感』です。傾聴し、受け入れた後に意見を伝えることでその後の会話もスムーズに弾むはずです。
 
コミュニケーションとは、簡単なようで実は意外と難しいんです。相手の目を見たり、自分の気持ちを伝えるには、ボキャブラリーだけでなく、声のピッチやトーン、目線、手の使い方、体全体の使い方など実にたくさんの技術の集合体です。

ただただうまく話すだけではコミュニケーションは成り立ちません。そんな中でも比較的体得しやすい技術の一つに傾聴は有ります。相手に身体を向け、相手の目を見て、話をなぞり、受け入れる。それが大切です。